ギラーミン

前にも書いたが、ボクは大長編の「のび太の宇宙開拓史」が大好きだ。

今回棚の奥にあったので読み直してみたんだけど、やっぱり面白い。他の話と違って特別面白い理由の一つに、殺し屋ギラーミンの魅力があると思う。

「手ぬるい」

と言い捨てるや、いきなり「コア破壊装置」を持ち込んで星ごと吹っ飛ばそうとしたりする冷徹ぶりや(ドラの「地球破壊爆弾」といい、F先生何気に星ぶっ飛ばすの好きですよね。鳥山明と良い勝負だ)

「よけいなあいさつは時間のむだです」

と言うプロらしい合理主義にもしびれる。

加えて、ロップルくんの友達を裏切らせるやり口も、悪役の鑑と言える悪辣さ。

更に

「わたしはどんな強い相手もおそれない。同時に、弱い相手もみくびらない主義です。」

あまりにもカッコイイです。やっぱり悪役はこうでなくてはいけない。悪には悪の美学ありといいますか、己の信念に生きているギラーミンのようなこういった曖昧さのないキャラクターは大長編を見渡しても他には居ないですね。

しかも、このギラーミンときたら合理主義者のクセに、ノビ太との対決を楽しみにしていたと不敵に笑うロマンチストでもある。

そのカッコヨサの極めつけがコレ

↑こういうのをカッコイイ演出っていうんだよ。しかもノビ太(ここではこの表記ね)もちゃんと受けて立つというカッコヨサ。こいつら対峙しただけで相手の強さが分かっちゃう程の達人(しびれる)だし、ノビ太の汗ダラダラの内面描写が拍車をかけて盛り上げる。更に救命ボートの射出音を合図に抜き合うと言う、ウルトラかっこよさ。

この場面がどうしてこうも盛り上がるかというと、星の爆発が迫っていて、もう時間が全然ないと言う切羽詰まった状態なのに、追い打ちをかけるように最悪の障壁が立ちふさがるから。

こういう障害の波状構成は盛り上がるだけに難しく、好例が少ないのだが、宮崎駿の傑作「天空の城ラピュタ」の竜の巣を見つけるくだりもかなり凄い。竜の巣の圧倒的な風圧に巻き込まれないように悪戦苦闘している最中に、なんとゴリアテ(敵の巨大飛行戦艦)が現れて攻撃してくるんだからたまらない。あれは焦った。
また「エイリアン2」でもこの宇宙開拓史と似たパターンを見せてくれる(こっちは尋常じゃない畳かけだけど)
なんせ、メルトダウン寸前の原子力炉に女の子を助けるためにわざわざ一人で武装して降りていき、しかもそこでエイリアン・クイーンと対峙する訳で、しかも更にこれでもかこれでもかと追いつめていく。

ああ、こういうのがかっこよくて、面白いっていうんだよなあ。と思いましたね。

・・・・・・・・・

続・新「イタイ話」(続・新ワイルド7からのパクリ)

前回も新漫画党の気になる激痛マン森安氏を取り上げたが、 その後もなかなか面白い(イタイ)展開を見せてくれたので、続報です。

<前回からのあらすじ>
グループ・6なんて名前に決まらずに一安心した一行は、散歩がてら哲学堂公園にいくのだが、そこで草野球の人数が足りないと、きゅうきょチームに参加することになり…

いきなり2話もかけて草野球を徹底して描くという、狂ったここら辺のくだりですが、ここでも手伝いで参加する3人に

「おれファーストならやってもいいぜ」

と意気揚々と名乗りを上げる森安氏。既にイタイムードがひしひしと読者を襲ってくる。

ここらはガチガチに緊張した満賀も負けてられるかとばかりに、いきなりライナーゴロをさばけずに大失敗して暗雲たれこめまくり(表現ではなく実際に暗雲がたれこめる)

それでも頼れるテラさんの好送球で盗塁を防ぎ、自信を取り戻したりする(ここも何気に稲妻が走っている)。

ここらの感情の起伏の激しさも、実に満賀らしくて読んでいて楽しい。喜怒哀楽の波長があからさまに読者とシンクロするのが素晴らしい。

どうでも良いけど、これぞA先生節ですよね。

↑肩の入り方とか、モーション→投球→捕球まで、無理矢理1コマ。そして、何故か異様に力の入った描線。

こうなったら森安氏もいいとこ見せなくちゃと張り切るが、勿論作者はA先生なので容赦なくバッティングで失敗させる。まあ、ここはイレギュラーで難を逃れる森安氏だが、読者は意味不明にハラハラする。

そしてまあこの話はテラさんの良いとこ取りで2話で切りあがる。もっとも2話もする事ないけどね。それでもタイトルは「まんが道」
それで思いだしたけど、 「B.B」ってまんがが昔サンデーで連載していたんだけど、最初読んでいた頃はボクシング漫画だったのに、しばらく目を離していると戦争漫画になっていてビックリした事がある。「ええ!」と思いつつも、それからしばらくして又読んでみると、今度は又ボクシングに戻って世界タイトルマッチしていた。色んな意味でショッキングだったなあ。(「くっそだらあ!」と言う独特の叫びも含めて)
同じく「リングにかけろ!」も……いや、これは語り尽くせないので止めとこう。

とまれ、ここら辺りはとにかく

「テラの章・青雲編」

な章立てでも良いような展開が続発するんですが、まあ、後半の陰の主役だからそれはそれでいいんですよ。

問題は、この後。

またまた調子に乗った森安氏が、よせばいいのに

「おれたちが中心になって野球チームを作らないか!」

と、やってくれる。

あちゃああ、っと読者の誰もが思ったところへ、宿敵テラさんがここぞとばかりに痛恨の一言。

「森安くん 今のぼくたちは野球どころじゃないよ」

「どころじゃないよ……

「じゃないよ……

……イッタタッタタタ。

グッサグサですよテラさん。ボクこの立場になったら、絶対に立ち直れないです。

そして、次の日からトキワ荘に行けないです。

森安氏?

↑居ますよ。勿論。

しっかし、二畳間に6人は、あまりにも爆笑。

才野がとにかく無理しすぎで、えらい面白さです。

「アンコがでるよ」

って満賀もなかなかトンチがきいてるが、上の画が説得力有りすぎて良い。

勿論この時も森安氏は自画自賛やらかして、イタイタしいんですが…

ところで、「しりそめし頃」だと「風森やすじ」なんつう、名前に変わっちゃうんですけど、これもA先生一流の追い込みかなあ?

ではでは。

(どうでも良いけど、何故こんなに長くなってんのよ>この雑記)