エスパー魔美

電車の中で「エスパー魔美」の文庫を読み直している。

F先生の作品の中ではかなり完璧な形で常に手に入る作品の一つだ。(もしかしたら、今はこれのみかも?)

いつもの児童漫画と言うスタンスではなく、対象年齢を若干上げてある分、高畑君や魔美のパパの言動が、非常に頷かせてくれる。

ボクが大好きなのは高畑君の

「理くつじゃないんだよ、人をしんじるってことは」

と言う、凡百の頭でっかち秀才キャラとは一線を画する、血の通った秀才ブリ

高畑君の様にMay wayで居ながら、しっかりとした自分の考え方を持っているキャラクターが大好きだ。
それに博覧強記なだけでなく、それを応用したり、機転が効いたりするあたりも、素晴らしく頭のいいキャラクターとして非常に評価できる。

また、パパの芸術に対する言も相当唸らされる。

批判されて怒り心頭になるパパが、ケロっとして

「(あいてに)批評の権利があれば、ぼくにだって怒る権利がある!!」

と言ったり、

対する評論家剣鋭介(どうでも良いけど、素晴らしく評論家っぽい名前だ)にしても

「芸術は結果だけが問題なのだ。たとえ、のんだくれて鼻唄まじりにかいた絵でも傑作は傑作」

と、これまた真理中の真理を簡潔に言い切る。しかもその言い切る台詞自体が、ちゃんと剣鋭介と言うキャラクターを表現するタメであり、パパの主張もパパのキャラクターを成立させる事に立脚している点が何よりも素晴らしいのだ。

ここらあたりが自分の言いたいことをただ単に登場人物の口を借りて言っているに過ぎない、エセ作家とは違うのだ。


とまあ、堅いこと言いたくなるほど完成度の高い作品なのだが、F氏の本当にやりたいことがコレだと言うことは、ちょっとした読者ならお見通しである。

↑異色過ぎるでしょ。幾ら何でも。
(*このブラックオチが読めるのは文庫版第2巻)

ではでは。