遂にその時が来た

先日、古本屋さんの中を何気なく物色していると、セット本の柱の中に強烈な妖気を感じ、慎重にそこを見てみると、そこには黒と黄色と赤の色合いでまがまがしさ抜群な二組のセットが屹立していた。

「ま、まさか!!??」

と思いながらも、脳味噌は既にその代物が何であるかを認知していたが、心がなかなかそれを現実として受け入れてくれなかった。

なんと、そこには全巻初版で、しかもそこそこの値段で、最も欲しい漫画の一つであった例のアレがあったのだ!

その名は

 

野望の王国

原作(勿論)雁屋哲 劇画(!)由起賢二

ゴラクコミック版28巻!

震える手を押さえつつも、財政的にどん底の状態であったボクは、我が相棒すばるさんに相談(半ば懇願)。すると、なんと折半でお金を出して貰えることになった。

彼女も漫画喫茶で1巻だけとは言え洗礼を受けていたおかげで、異常に話が早かった。

その価値(あくまでボクにとっての)なんてまるで知る由もなさそうな純朴な店員から購入したボクは、その重量を手に感じながら早速帰宅。

すばるさんは株主の特権とばかりに早速一巻を紐解くや……

狂笑!!

二人とも一巻をもう読んでいるクセに、二人して延々1コマ1コマなぶるように笑いまくった。

一巻でコレ。たった一巻で。

こうなったら二人の気持ちは一つになった。

「別サイトでしょ、こりゃ」

と言うわけで、近日中になんとか開設したいところだが、取りあえず待ちきれない方々のためにここにプレ公開。

一巻の、しかも一話だけでコレだけの宝庫!!

先ずは主人公二人橘と片岡が法学部の部屋で進路相談を受けて、いきなりコレ

「人が人を支配する仕組み」「権力をつかむための方法」「社会の権力構造のカラクリ」!!!
東大法学部政治学科ではこんな事を教えているんですよ。いや、彼らはそんなことを学んでいたのです。この顔で。

雄山節の源泉はすでにこんな所から間欠泉のように湧き出ていた!

そして、それを受けての圧倒的なコレ

↑実はまだまだそんなもんじゃないことを言い出す二人なのだが、既にこの時点でこれだけの衝撃を受けてしまったもんだから、驚きのインフレはすでに止まるところを知らなくなる。

そして、二人の野望と狂喜乱舞の世界観がコレ

↑自信過剰、誇大妄想、強烈な一面的視点、徹底的に笑うしか対処のしようが読者には残っていない、毒素100%のテンションがここから始まる(いや、最初の1ページ目からそうなんですが)!

周りの人間には

「勉強のしすぎで頭がおかしくなったんだ」

とブルブル震えて言われる始末(あったりまえだ)

あらぬ方向を向いている二人の姿勢が、説明不可能の凄味。

劇画表現の到達点を超えてしまって、シュールリアリズムの境地に達したとしか思えない、極端なデッサンの狂いやパースの無軌道ブリ、効果線の入れすぎ、徹底的な様式美とも取れるシンメトリーの構図の数々、などなど、どこをとってもなにをとっても極端すぎるのが絶対的な特徴。こんなのが28巻も続くとなると嬉しくてふるえが来る。

そして上の宣言を受けての過剰なコレ

↑これぞ劇画!!!!! でも背景はグルグル。最後部正面の人物、首の太さに注目。ボタン弾け飛ぶぞ。でも何故かノータイ。

これで一話。しかもとどめが以前にも書いたコレ。漫画喫茶でボクを悶絶死寸前に追い込んだ、笑うしかないコレ

↑相棒のマンションに駆け込んでくるだけでこれだけの画は普通の人間には描けない。雁屋哲のただ事ではないテンションに負けじと、劇画節も吠える吠える。しかし、微妙に狂った方向に向かっていると感じるのはボクだけではあるまい。詰め襟は常に止めるのが野望流。

現物のパワーに圧倒されて、妙に言葉少なになってしまうが、気持ちは分かっていただけると信じる。

実際に真似してみたが、人間には通常不可能な行為であることは、数秒で証明された。

しかもコレは入ってきて吃驚しているんではなく、勝手に飛び込んできて勝手に驚いたような描写で訪ねてきているだけなのだ。訪ねてきているだけでコレだ。

ヌシヌシというそのものな効果音と共に、きちんと正座して本を読んでいる片岡の所へ入ってくる橘。二人は遂にその時が来たことを知る。

その決意の現れをとくとご覧じろ。

↑野望のために荒野へ踏みださんとする二人にセリフも擬音も要らない。この画があればよい。ここに実はまんが道に通じるF&Aの血を見た!(強引に関連づける)

橘のテンションにただでさえ共鳴している片岡。読者への決めとしてコレ

↑繰り返しになるが、一巻じゃなく、一話だけでコレだけの重要ポイントがある。しかも、まだまだもっとある。片岡は常に口を閉じて喋るのがポイント。辛いことや重要なことは取りあえず橘頼みの他力本願な部分や、それを意にも介さない橘の本気に、またまたA&Fの血を見る。

いや、もう読んだことのある人には説明不要かも知れないんですが、とにかく凄いの一言。

雁屋哲の毒抜きされていない頃のピークとも言える雁屋節が全編全コマに漲っているだけでなく、なによりも由起賢二の壮絶な劇画描写までまったく妥協知らずにハイボルテージなもんだから、とても漫画喫茶では読めないです。

ホントに買って良かった!!!

是非サイト開設の時には、野望達成のために(まだなんの野望か決めていないけど)、皆さん見に来て下さい!!!!!


ところで、以前書いた犬のくだりですが、何とこれが1巻の最後にあるんです。おまけでどうぞ。

↑これは遠近法で大きいんじゃないですよ。

その証拠がコレ

↑ね。実際にでかいんです。ライオン並ですが、一応犬です。

それを見た大の犬キチガイのヤクザ(なんだ、そりゃ)の痛快なセリフがコレ

↑こんなので1巻終わってご覧なさいよ。続き読まないわけにはいかないでしょう。しかも2巻はもっと凄くなる!!

しっちゃかめっちゃかに面白いんです。はい。

皆さんももし古本屋さんで見かけたら、迷わず購入をお勧めします。

ではでは!!!!(読むととにかく「!」が入れたくなる漫画です)